小さな野はらの樹

戸谷成雄氏　個展　~ヴァンジ彫刻庭園美術館~

『洞穴の記憶』









幼い頃、絵を描くときは決まって、

もくもく煙が煙突から漂いだすお家と、

ジグザグな柵が並ぶ　お花いっぱいのお庭と

ふわふわな雲と

七色の虹　を描いていた記憶があります。







美術館で、この虹を見かけたとき、

心弾ませながらクレヨンを走らせる

幼い頃の記憶が

ふんわりと過ぎりました。







戸谷氏の作品たちは、

チェーンソーで彫り込み、その溝や切り込みには

おがくずを燃やした灰が塗り込まれ

流動的な自然界の現象を描いているようです。